利用者さんから、よく相談を受けることがあります。それは性の悩みです。
ここ最近は社会的に【障がい者の性】も認められてきているように思います。
都道府県によっては身体介護でヘルパーを利用した介助による射精も認められています。
障がいの方専門の風俗や射精介助のサービスもあり、私が関わっている方も利用されています。
ただ、快く思わない方も多いことは事実です。
今回はご家族に協力してもらえずに悩んでいる方のお話を紹介させていただきます。
この記事を読んで、障がいがあっても性欲はあり、みんな同じという当たり前のことを知っていただけたらいいなと思います。
目次
・初めての一人での支援
・性についてわからないままの性
・ご家族に相談
・現状
初めての一人での支援
脳性まひの40代男性のお話です。
私が彼の支援に携わらせていただいて12年以上がたちます。
初めて一人で支援に入らせてもらった時から性に対する欲求がありました。
トイレに行きたいと言われ排泄介助の準備をしていると、お腹が気持ち悪いのでお腹を押して欲しいと言われました。
私は単純にお腹を押して便を出したいのだと思い、夏の暑い時期でしたがトイレの中で汗だくになりながら30分ほどお腹を押していました。
そうすると性液が出て少し驚きましたが、「あ〜そういうことなんだな」とすぐに心の中で納得しました。
その時はまだ関わりが浅いため、何も言わずに帰宅しました。
性についてわからないままの性
後日、この方の支援に入っているヘルパーさんに聞いてみました。
彼の場合はお腹を押してもらうことが性処理の方法で、ヘルパーがお腹をおしてくれると思ったら要求されるそうです。
知らない時に、長ければ1時間位お腹を押した時があると言われました。
その後関係性ができるまでは、そのような要求があった時は柔らかく断りました。
何故かというと、その時点で要求通りに行動してしまうとヘルパーでは無く、性処理をしてくれる人になるからです。
ある程度関係性ができ、ゆっくりとお話を聞いていくと、ご本人の性に対する気持ちや考えがわかりました。
・お腹を押してもらうと何か気持ちいい。
・このことはご両親には怒られるので言えない。
・男の人はみんなこの気持ちはわかる。
・けどこれが何なのかはあまりわからない。
このお話に対してそれは普通のことだとお伝えすると少し安心してくれたようです。
ご家族に相談
それからは時々、性の相談をしてくれるようになりました。
ヘルパーが支援中にその介助をすることは難しいことや、ご両親の理解を得られれば専門のサービスも受けられることを少しずつお伝えして理解を深めていきました。
ただ、今までご家庭で性に対して蓋をされてきたことや、ご両親との関係性もあり、ご自身で伝えることは難しいようでした。
そこで、担当や相談支援員の方など支援者が話し合い、相談支援員がご家族にお話をしにいきました。
結果は否定的な返答だったようで最終的には「うちの子にはそんなことは必要ありません」と言われたと報告を受けました。
非常に残念でした。
今でも課題として支援者で話をしていますがご家族が反対されているため中々進展はしていません。
現状
障がいのある方はご自身で性処理ができないため、自分ではない誰かに頼むしか方法がない方はたくさんいます。
特にご家族が全てを決めているご家庭も多いためご家族の考え方次第で何もできなくなり苦しんでいる方も多いです。
障がいがあってもなくても食欲と同じように性欲もあり恋もします。
まず、そんな当たり前のことを知っていただけたらと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事が誰かのお役に立てたらうれしく思います。
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