介護においてできることを奪わないようにしましょう。
障がいがある方や高齢の方は、周りにいる人が気遣って色々やってあげてしまうことが多くなりますよね。
優しさのつもりで手を貸しすぎると、その人の力が少しずつ失われてしまいます。
ご自身でできることをしてもらうことで自分でできる力の維持向上が期待でき、社会参加の機会や行動範囲が広がります。
当事者の方ができるかもしれないことは少しでも自分でやってもらい、一人でできることを増やしていきましょう。
私は障がいのある方を中心に支援をしているので、具体的に関わった方々の例を紹介しますね。
軽度知的障害Aさんの場合
現在28歳、高校生の時から関わらせてもらっている方です。
月1回、外出をヘルパーと一緒に行きます。
最初は支払いや目的地に行き方などは、全てご家族さんの指示のもとヘルパーが行っていました。
一年ほどが経ち、ご家族さんにご自身でできることは少しずつやってもらって良いですか?と尋ねたところ承諾されて即行動。
それからは、まず何分に来る電車に乗るか?その料金はいくらか?などを考えてもらいました。
最初は難しいようでしたが、自分で決めてもらうことに慣れていくように声かけをします。
そして、目的地まではどう行けば良いか、目的地での入場料など決まっている総額の料金はいくらか?なども調べてもらい楽しみながら自分で判断することを日常にしていきました。
それから2年ほどするとヘルパーがいなくても一人で外出されるようになり行動範囲も広がっていきました。
今でもヘルパーとして関わらせていただいていますが、基本的に私は全く何もする事はなく、トラブルが起きた時に一緒に考えて解決していくくらいです。
重度訪問脳性マヒのBさん
この方はご自身では手足は動かせません。お話することも非常にゆっくりで中々聞き取れません。もちろん食事や排泄も全て一人ではできません。
ただこの方、生活のことはすべてご自身で考えて決めています。
私が関わらせていただいていた頃はホームで生活をしていましたが、一人暮らしをしたいと言われて今ではヘルパーを利用しながら一人暮らしをしています。
先日久しぶりにショッピングモールで偶然お会いすると、一人暮らしを楽しんでいるそうでお元気にされていました。
別の日には偶然お母さんにもお会いしたのですが、小さい頃からすべて自分で決めるように子育てをしていたそうです。今でも良いことも悪いことも好きなようにしてますとお話をされていました。
やはり自分で決めていくことは大事だなと感じますね。
介護とは「助けること」だけでなく、「見守ること」も非常に大事です。
私自身、その人が自分の力で生きる気持ちを支えるということを支援で忘れないようにしています。
何か皆さんのお役に立てることがあれば嬉しく思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。


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