【行動援護】11年間で初めての穏やかな散髪

訪問介護士の日常

出会った頃

12年以上関わらせていただいている利用者さん。

出会った頃は小学校低学年でした。活発ですぐに走り出したり、急にズボンを脱いで、道端で突然便をしたりと大変でしたが楽しくもあった思い出がたくさんあります。

当時も今も突然パニックになり泣き出したりすることも多々ありました。


気持ちが不安定になりやすく嫌なことがあったりすると大きい声を出したり、服を噛んだりをされます。 


そんな時はゆっくりと声かけをして落ち着くまで様子を見て対応します。

散髪に初めての同行

10年ほど前、ご家族から散髪が大変なのでヘルパーに連れていってほしいと依頼があり,どんな感じなのか初めて一緒に散髪にいくことになりました。

まず店に入ると、散髪椅子に座るだけでも中々座ろうとされません。

やっと座ってくれたと思うとカットが始まると大声で叫んだり、椅子から立ちあがろうとして到底カットができる状態ではありませんでした。

その時はどうすることもできず、なんとか少しでもカットをということで、できる範囲のみカットしてもらい終了。

このお店では次回はお断りされました。


やはりこの状況では危険もあり、中々引き受けてくれるお店がありません。

何軒か相談しても断られ、一度来てみてくださいと言われて行ってみるとやはり断られるということが続きます。

その後「自分の息子も障がいがあるので大丈夫です」と言ってくださり引き受けてくれた理髪店に伺いました。

最初はいつも通り拒否されて暴れていました。危険なので店員さんも手伝ってくださり、ご家族とヘルパー2人と4人で押さえてなんとかカットを終えました。

押さえてしまっては決して良い支援とは言えず、色々と支援者で相談していましたが、やはりしっかりと散髪はしてほしいとご家族からの要望で同じ状況で5〜6年ほどは続くことになります。

変化の兆し

そんな状況が続いていましたが、3、4年前から変化がありました。


少しずつですが、散髪椅子にはすぐに座ってくれるようになりました。


カットが始まっても始めは穏やかなご様子で、途中から拒否されるようになったりと確実に拒否することが減ってきました。

良い方向に進んでおり、できるだけ押さえるという行為を減らすようにしていきました。

暴れてしまう時は危険なのでその時はみんなで押さえます。

しかし、できるだけ声かけをして落ち着いてもらい、散髪は怖くないと感じてもらえるように支援をしていました。

そして先日、初めて声も出さず、暴れもせず穏やかに散髪が終了。

支援者とご家族で初めてのことに喜び、一緒に感慨深くなりました。

障がいがある方にとっては世間で普通のことが普通ではありません。

その人にとっては難しいことがその人にとっての普通になると一つ生きやすくなります。


そんなことが実感できた1日でした。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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