【訪問介護】     一人暮らし50代男性の変化        

訪問介護士の日常

1人暮らしの50代男性の家事支援

この方は片足が生まれつき不自由で  6,7年前からお母さんが施設に入所されてからは、

ヘルパーの支援を受けながら1人暮らしをされています。

 

1人暮らしになる前は

お母さんと同居されている頃から支援は入っていましたが、

その頃は何かやりたいことがあってもお母さんが決めてしまうことが多く、

ご本人が自分で選んで行動する場面はほとんどありませんでした。

お母さんのおやごころの思いからくる行動ではありましたが、

ご本人は「自分一人では何もできない」と思い込まれていたようです。

僕としては何か少しでも自分でできたという実感を持って頂けたらと考えていました。


突然の一人暮らし

そんなある日、お母さんが体調を崩され入院。

ご本人は意図せず「1人暮らし」と向き合うことになりました。

最初はとても不安そうでしたが、買い物や掃除、調理と必要な家事をヘルパーが支援しながら生活を続けていました。



そんなある日

テレビで料理番組や漫才や落語を見ることが日課になり、

ある日「自分でもできるかな?」とつぶやかれました。 

僕は「最初は難しいと思うかも知れないですがやってみたら楽しいと思いますよー」と答えました。 


その一言がきっかけだったのか、ご本人の行動が変わり始めました。


最初から全力で挑戦

最初の挑戦はお好み焼きでした。テレビで見た料理を作るために、

自ら材料をメモし、ラクーターに乗って買い物に出かけて、調理までされたとお話してくれました。

最初から調理まで全部されたことにびっくりしましたが、嬉しくなりました。

もちろん初めてなので、出来あがったお好み焼きは上手くは出来なかったようです。

ですがご本人はすごく楽しそうに一連の流れを話をして下さり、表情は生き生きとしていました。

その後も様々なことに挑戦され、時には失敗もあり、楽しそうに繰り返しトライされています。


今では

あれから約7年が経ち今では買い物は普通のことになり、

電車やバスで色々な所に一人で遊びに行かれるようになりました。

料理は少し苦手意識があるようで、今は時々ご自身で調理され、

デイサービスでは落語を披露されるなど充実した日々を送られています。

なお、お母さんが年に2回ほど帰宅される際には、ご自身でできる範囲でお世話もされています。

今では「支えられる側」から「支える側」になっています。(介助や家事はヘルパーがしています)

障がいがあるから?・・・

この経験からあらためて「障がいがあるからできない」と決めつけてしまうことは良くないと感じました。

周囲の理解と協力の上にご本人の安心ができれば、昨日の自分より少しだけ変わっていけるのだと教えてもらえました。

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